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DIAMOND☆DOGSを見つめる日々の雑記帳

「LOVE LETTERS」感想

朗読劇「LOVE LETTERS」3月11日の櫻井孝宏さん、大塚千弘さんペアの回に行って来ました。

櫻井さんの朗読、しかもラブストーリーということで、これを逃してなるものか!と意気込んで(笑)

3列目のセンターという良席で観てきました。

朗読劇を観たのはこれが初めてではないけれど、こんなにも静かで、ひたすらお二人の声だけを耳で追っていく、こんな作品は初めてでした。

しかも気付かない内にどんどん引きこまれて行って、最後には切なくて苦しくて涙が止まらなくなるほどで(>_<)

ラヴ・レターズ LOVE LETTERS

かけがえのないあなたへ贈る、リーディングドラマ

舞台にはテーブルと二脚の椅子。

並んで座った男優と女優が、手にした台本を読み上げるだけの2時間。

大掛かりな仕掛けも、目をひく照明や音響もない、このシンプルな舞台が、これほど見るものをとらえてはなさないと、誰が想像できたでしょうか?…。

「ラヴ・レターズ」は1989年ニューヨークで初演されるやいなや、全世界で上演され、静かなブームを巻き起こしました。パルコ劇場でも1990年8月19日に幕を開け、それ以来、この一つの台本を年齢も個性も異なった様々なカップルが読み続けています。

STORY

幼馴染みのアンディとメリッサ。

自由奔放で感覚人間のメリッサ。

真面目でいつも何かを書いているアンディ。

思春期を迎えて彼らは一番近い異性としてお互い十分相手を意識しはじめる。

しかし、ついに決定的に結ばれるチャンスを迎えた夜、二人は友だち以上にはなれない自分たちを発見する。

大学を出た二人はそれぞれ結婚し、まったく別の道を歩き始める。

海軍を経て法曹界に入り上院議員まで登りつめるアンディ。アートの道に進んだものの行き詰まって精神的破綻をきたすメリッサ。

久しぶりに再会した二人は別々に過ごした日々を取り戻すかのように、お互いを激しく求めあう。

しかし結ばれるには、それは余りにも遅すぎた。

あらすじしか知らず、初見だったので、かなり唐突な始まりと展開で、まぁ所謂お国柄というか、日本の思春期の男女とはまた違う意見やエピソード、ハプニングだったりが多いので状況把握がなかなか難しい。

ある1つの出来事に対して、その出来事のあらまし等は語られず、あくまでメリッサとアンディ2人それぞれの主観を書いた手紙のやり取りがすべて。

正直、1幕の半ばまで「コレ私大丈夫か…?」って思ってました。

その大きな要因が、メリッサなんですよね。

メリッサが本当に自由奔放。年頃の女の子にありがちな、わがままとプライドの高さ。

アンディとの力関係は完全にメリッサが上。(と、メリッサは信じている)

それがね~わかるんだけど強烈すぎて、日本人女性にはなかなか感情移入しにくいんですよね。

あえてプラスの何かを感じるのであれば「アンディ頑張れー」って感じ。

それが2幕になり、2人の人生が少しずつ離れていくと、こちらの気持ちもどんどん変わっていくんですよね。

アンディの気持ちも態度もわかるんです。むしろ当たり前だよね、当然だよね、って思う。

でもどうしてもメリッサの気持ちもわかるの。

幼い頃から一緒で、考え方も古臭くて堅苦しくて、いつでも自分のことを好きでいる、自分のことを大切にしてくれる男の子。

その子が気付けば自分以外の別の誰かを見つけ、仕事もうまくいき、地位もあり、お金もあり、絵に描いたような幸せな家族がいる。

一方の自分は…。

そんな時でも、アンディなら変わらずに自分を愛してくれる。

奥さんがいようと、子供がいようと、それでも何かの時にはきっとそばにいて、自分に愛情のこもった手紙をくれる。繋がりを絶たずにいてくれる。

だって、「手紙」というツールをあんなに大事にしてきた彼だから。

ずっと「愛をこめて」手紙をくれていた彼だから。

つらくてしんどくて1人じゃ居られない時、昔と変わらずに優しくしてくれる人にすがりたくなる気持ち、きっと女性はわかるはず。

でも、男性の側からしたら「いまさら遅いよ」って言いたくなる気持ちもわかる。

自分には奥さんがいて、子供がいて、仕事があって、そんな自分を支持してくれる支援者達がいる。

そんな中でわざわざリスクを犯していくことは利口ではない。

櫻井さんって、そういう理知的というか少し冷たい男性がすごく上手で、1幕の少年時代とのギャップがすごくてまたそれがツライ。

櫻井さんのアンディと、千弘ちゃんのメリッサを見て私が1番感じたのは、男女の年の取り方の違いでした。

男性って基本的にゆるやかに年を取っていく気がするのね。

あくまでアンディのように、道が崩れるようなことなく生きてきた人の場合だけれど。

女性は基本的に変わらないの。

わりと成熟が早いせいか、幼い頃から”自分”を持ってるし、自分なりのスタイルやプライドがある。

思考もそうだし、例えばファッションやメイクでいくらでも若く見せることもできるし、実際若くいることも出来る。

でもそれが崩れる某かのきっかけがあるとあっという間。

本当にびっくりするほどあっという間に老けこんじゃうの。

そういう年月の重ね方を、櫻井さん、千弘ちゃんそれぞれのお芝居や声色から感じました。

最後はメリッサに同調しすぎてボロ泣きでした。

同情じゃなく、同調。

もうどうしようもなく落ちていくしか無い自分が惨めで、つらくて、でも何よりももっと早くアンディを愛していることに気がつけばよかったという後悔と…。

アンディに対する「ごめんね」と「ありがとう」でいっぱいで本当に胸が痛みました。

櫻井さんファンとして思った色々なことは、もっと他にもあったんですが、でも今はこういう感想を残せればいいかなって思っています。

それくらい、お二人の創りだす世界観が素晴らしくて、とても良かったから。

またいつか、櫻井さんがこの「LOVE LETTERS」という作品に出演してくれた時に、この記事を見比べたいなと思っています。